後遺障害等級認定とは
交通事故で治療を続けても完治せず症状固定となった場合、残存する障害について自動車損害賠償保障法施行令別表に基づく等級認定を受けることで、後遺障害慰謝料・逸失利益を請求できます。
申請方法
事前認定(加害者請求)
加害者側の任意保険会社が手続きを代行する方法。被害者の手間は少ないが、保険会社に有利な資料のみ提出されるリスクがあります。
被害者請求(自賠法16条)
被害者自身が自賠責保険会社に直接請求する方法。有利な医証や意見書を添付できるため、適正な等級認定を受けやすい。
主な等級と慰謝料(裁判基準)
| 等級 | 代表的な後遺障害 | 自賠責保険金額 | 裁判基準慰謝料 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 両眼失明、両上肢喪失等 | 3,000〜4,000万円 | 2,800万円 |
| 3級 | 一眼失明+他眼視力0.06以下 | 2,219万円 | 1,990万円 |
| 7級 | 一眼失明、一上肢の機能障害等 | 1,051万円 | 1,000万円 |
| 12級 | 局部に頑固な神経症状(他覚所見あり) | 224万円 | 290万円 |
| 14級 | 局部に神経症状(むちうち等) | 75万円 | 110万円 |
むちうちの等級認定
交通事故で最も多いむちうち(頸椎捻挫)は、14級9号または12級13号に認定される可能性があります。
14級9号の認定ポイント
- 6ヶ月以上の通院実績
- 症状の一貫性・連続性
- 神経学的所見(ジャクソンテスト、スパーリングテスト等)
12級13号の認定ポイント
- MRI等の画像所見で他覚的に神経障害が証明できること
- 14級との差額は慰謝料だけで約180万円
異議申立て
認定結果に不服がある場合、異議申立て(自賠責保険への再審査請求)が可能です。
異議申立てのポイント
- 新たな医証の取得: 主治医の意見書、専門医のセカンドオピニオン
- 画像鑑定: MRI・CT画像の専門的な分析
- 日常生活報告書: 後遺障害が日常生活に与える影響の具体的な記録
異議申立てでも認められない場合は、自賠責保険・共済紛争処理機構への申請、または訴訟での等級認定を求めることができます。
根拠法令
- 自動車損害賠償保障法(自賠法)16条(被害者の直接請求権)
- 自賠法施行令別表第一・第二(後遺障害等級表)
- 労災保険の障害等級認定基準(準用)