労務コンプライアンスとは
企業が労働関連法規を遵守し、適正な労務管理を行うことです。違反は刑事罰、行政指導、損害賠償請求、企業イメージの低下につながります。
労働時間規制
法定労働時間(労基法32条)
1日8時間、1週40時間が上限。これを超える場合は36協定(労基法36条)の締結と届出が必要です。
時間外労働の上限規制(2019年施行)
| 上限 | 内容 |
|---|---|
| 原則 | 月45時間、年360時間 |
| 特別条項 | 年720時間、月100時間未満(休日労働含む)、2〜6ヶ月平均80時間以内 |
違反: 6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金(労基法119条1号)
割増賃金(労基法37条)
| 区分 | 割増率 |
|---|---|
| 時間外労働 | 25%以上 |
| 時間外(月60時間超) | 50%以上 |
| 休日労働 | 35%以上 |
| 深夜労働(22時〜5時) | 25%以上 |
同一労働同一賃金(2020年/2021年施行)
パートタイム・有期雇用労働法8条・9条により、正社員と非正規社員との間の不合理な待遇差が禁止されました。
対象: 基本給、賞与、手当、福利厚生、教育訓練等の全ての待遇
ハラスメント防止措置義務
パワーハラスメント(労働施策総合推進法30条の2)
事業主は、パワハラ防止のため以下の措置を講ずる義務があります: 1. 事業主の方針の明確化と周知・啓発 2. 相談体制の整備 3. 事後の迅速かつ適切な対応 4. プライバシー保護、不利益取扱いの禁止
セクシュアルハラスメント(男女雇用機会均等法11条)
同様の防止措置義務。
マタニティハラスメント(男女雇用機会均等法11条の3、育児介護休業法25条)
妊娠・出産・育児休業等を理由とするハラスメントの防止措置義務。
解雇規制
解雇権濫用法理(労働契約法16条)
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない解雇は無効。
解雇予告(労基法20条)
解雇する場合、30日前の予告又は30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要。
主な罰則
| 違反内容 | 罰則 |
|---|---|
| 強制労働(労基法5条) | 1年以上10年以下の懲役又は20〜300万円の罰金 |
| 36協定なしの時間外労働 | 6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
| 賃金未払い(労基法24条) | 30万円以下の罰金 |
| 年5日有給未取得 | 30万円以下の罰金 |
根拠条文
- 労働基準法32条、36条、37条、119条
- パートタイム・有期雇用労働法8条・9条
- 労働施策総合推進法30条の2(パワハラ防止)
- 男女雇用機会均等法11条(セクハラ防止)
- 労働契約法16条(解雇権濫用法理)