ネット問題の全記事を見る最終更新: 2026-03-13

ネットいじめの法的責任|加害者・学校・プラットフォームの責任

この記事のポイント

  • ネットいじめは名誉毀損や侮辱罪に該当しうる
  • 学校には安全配慮義務がありいじめ対応が求められる
  • サイト管理者に削除請求を行い投稿の拡散を止められる
  • 加害者が未成年でも親が損害賠償責任を負う場合がある

ネットいじめの法的位置づけ

ネットいじめ(サイバーいじめ)は、いじめ防止対策推進法2条1項の「いじめ」に該当し、インターネットを通じて行われるものも含まれることが明記されています(法2条1項)

加害者の法的責任

刑事責任

  • 名誉毀損罪(刑法230条): 3年以下の懲役・50万円以下の罰金
  • 侮辱罪(刑法231条): 2022年改正で厳罰化 → 1年以下の懲役・30万円以下の罰金
  • 脅迫罪(刑法222条): 2年以下の懲役・30万円以下の罰金
  • 強要罪(刑法223条): 3年以下の懲役
  • 児童ポルノ提供罪(児童ポルノ法7条): 画像の拡散

民事責任

  • 不法行為に基づく損害賠償(民法709条)
  • 未成年者の場合は監督義務者(親権者)の責任(民法714条)
  • 責任能力の有無: 概ね12歳程度で責任能力が認められる(判例)

学校の法的責任

いじめ防止義務(いじめ防止対策推進法)

  • 基本方針の策定(法13条): 学校ごとの防止計画
  • いじめ対策組織の設置(法22条): 常設の対策委員会
  • 早期発見(法16条): 定期的な調査の実施
  • 通報への対応(法23条): 事実確認と適切な措置

安全配慮義務違反

いじめを認知していたにもかかわらず適切な対応を取らなかった場合、学校設置者(自治体・学校法人)の安全配慮義務違反(国家賠償法1条又は民法415条)として損害賠償責任を負います。

重大事態への対応(法28条)

いじめにより生命・心身・財産に重大な被害が生じた場合、又は相当期間の欠席を余儀なくされた場合は「重大事態」として調査を行う義務があります。

プラットフォーム事業者の責任

プロバイダ責任制限法

  • 発信者情報開示請求(法5条): 加害者の特定
  • 送信防止措置(法3条): 投稿の削除要請

削除義務

権利侵害を知りながら放置した場合、プロバイダ責任制限法3条1項但書により損害賠償責任を負う可能性。

被害者の対処法

  1. 証拠の保全: スクリーンショット、URL、投稿日時の記録
  2. 学校への報告: 書面で記録を残す
  3. 警察への相談: サイバー犯罪相談窓口
  4. 弁護士への相談: 発信者情報開示請求、損害賠償
  5. 法務局への相談: 人権相談(子どもの人権110番: 0120-007-110)

根拠条文

  • いじめ防止対策推進法2条(定義)、23条(措置)、28条(重大事態)
  • 刑法230条(名誉毀損)、231条(侮辱)
  • 民法709条(不法行為)、714条(監督義務者の責任)
  • プロバイダ責任制限法3条(損害賠償責任)、5条(開示請求)

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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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