企業法務の全記事を見る最終更新: 2026-03-13

公益通報者保護法|内部告発した社員の法的保護と企業の義務

この記事のポイント

  • 内部告発をした社員は法律で解雇や降格から保護される
  • 2022年改正で従業員300人超の企業に体制整備が義務化された
  • 通報先は社内窓口・行政機関・報道機関の3つがある
  • 保護を受けるには通報内容に真実相当性が必要

公益通報者保護法とは

企業の法令違反行為を通報した従業員が不利益な取扱いを受けないよう保護する法律です。2006年施行、2022年に大幅改正されました。

保護される通報の要件

通報対象事実(法2条3項)

以下の法令(約500本)に違反する犯罪行為又はそのおそれ。 - 刑法(詐欺、背任、横領等) - 食品衛生法、環境法令 - 労働基準法、安全衛生法 - 金融商品取引法 等

通報先と保護要件

#### 1. 事業者内部への通報(法3条1号) - 要件: 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する場合 - 最も緩やかな要件

#### 2. 行政機関への通報(法3条2号) - 要件: 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合

#### 3. 報道機関等への通報(法3条3号) - 要件: 上記に加え、内部通報では不利益取扱いを受ける蓋然性が高い、証拠隠滅のおそれがある等の特別の事情が必要

2022年改正のポイント

事業者の体制整備義務(法11条)

従業員300人超の事業者に、内部通報に適切に対応するための体制整備が義務化。300人以下は努力義務。

公益通報対応業務従事者(法12条)

通報対応の担当者を指定し、守秘義務を課す(違反は30万円以下の罰金)。

保護範囲の拡大

  • 退職者(退職後1年以内)、役員も保護対象に
  • 保護される不利益取扱い: 解雇、降格、減給、配置転換等

通報者の注意点

  1. 証拠の確保: 通報前に法令違反の証拠を適切に収集
  2. 通報先の選択: まず社内窓口、次に行政機関、最後に報道機関
  3. 匿名通報の可否: 法律上は匿名通報も保護対象
  4. 弁護士への事前相談: 保護要件を満たすか確認

根拠条文

  • 公益通報者保護法2条(定義)、3条(保護の要件)
  • 公益通報者保護法11条(体制整備義務)、12条(通報対応業務従事者)

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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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