消費者問題の全記事を見る最終更新: 2026-03-13

特定商取引法のポイント|7つの取引類型と消費者保護ルール

この記事のポイント

  • 特商法は訪問販売など7つの取引類型を規制する
  • クーリングオフは書面で通知すれば理由不要で解約できる
  • 通信販売にはクーリングオフが適用されない
  • 不当な勧誘行為は契約を取り消せる理由になる

特定商取引法とは

特定商取引法(特商法)は、消費者トラブルが発生しやすい7つの取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、消費者を守るための制度を定めた法律です。消費者庁が所管しています。

7つの取引類型

1. 訪問販売(特商法2条1項)

事業者が消費者の自宅を訪問して商品・サービスを販売する取引。キャッチセールス(路上での声がけ)やアポイントメントセールス(電話で呼び出し)も含まれます。

主な規制: - 勧誘に先立ち、事業者名・商品名・勧誘目的の明示義務(特商法3条) - 書面交付義務(特商法4条・5条) - クーリングオフ: 8日間(特商法9条) - 不当な勧誘行為の禁止(不実告知、威迫困惑等)(特商法6条)

2. 通信販売(特商法2条2項)

カタログ、新聞広告、インターネット等を通じた販売。ネット通販はこの類型に該当します。

主な規制: - 広告の表示義務(価格、送料、事業者情報等)(特商法11条) - 誇大広告の禁止(特商法12条) - クーリングオフはなし。ただし、返品特約の表示がない場合は商品受領後8日以内の返品が可能(特商法15条の3) - 電子メール広告の送信にはオプトイン(事前同意)が必要(特商法12条の3)

3. 電話勧誘販売(特商法2条3項)

事業者が電話をかけて勧誘し、消費者が申込み・契約をする取引。

主な規制: - 書面交付義務 - クーリングオフ: 8日間(特商法24条) - 再勧誘の禁止: 一度断った消費者への再勧誘は禁止(特商法17条)

4. 連鎖販売取引(マルチ商法)(特商法33条)

商品の販売と会員の勧誘を組み合わせた取引。入会金や商品購入が条件。

主な規制: - クーリングオフ: 20日間(特商法40条) - 中途解約権: クーリングオフ期間経過後も、入会後1年未満・商品未使用等の条件で解約可能(特商法40条の2) - 誇大な利益の告知禁止

5. 特定継続的役務提供(特商法41条)

長期間にわたり、高額な対価を支払うサービス。7業種が指定されています: - エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス

主な規制: - クーリングオフ: 8日間(特商法48条) - 中途解約権: いつでも将来に向かって解約可能(特商法49条) - 解約時の損害賠償額の上限規制

6. 業務提供誘引販売取引(特商法51条)

「仕事を提供するから」と誘い、仕事に必要な商品等を購入させる取引(内職商法、モニター商法等)。

主な規制: - クーリングオフ: 20日間(特商法58条)

7. 訪問購入(特商法58条の4)

事業者が消費者の自宅を訪問して物品を購入する取引(押し買い)。

主な規制: - クーリングオフ: 8日間(特商法58条の14) - クーリングオフ期間中は物品の引渡しを拒める

共通する禁止行為

全ての取引類型に共通して、以下の行為が禁止されています:

  1. 不実告知(特商法6条1項): 重要事項について事実と異なることを告げること
  2. 事実不告知(特商法6条2項): 故意に事実を告げないこと
  3. 威迫困惑(特商法6条3項): 消費者を脅したり困惑させたりすること
  4. 判断力不足に乗じた勧誘: 高齢者等の判断力低下に乗じた契約

行政処分と罰則

  • 業務停止命令: 最長2年間(特商法8条)
  • 業務禁止命令: 役員個人にも(特商法8条の2)
  • 罰則: 不実告知等は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(特商法70条)、法人には3億円以下の罰金(特商法74条)

消費者が取るべきアクション

  1. 消費者ホットライン188(いやや)に相談
  2. クーリングオフの書面を特定記録郵便で送付
  3. 消費生活センターに相談(あっせん交渉を依頼)
  4. 弁護士に相談(消費者契約法に基づく取消しも検討)
※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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