消費者問題の全記事を見る最終更新: 2026-03-13

欠陥商品による被害と製造物責任法|メーカーへの損害賠償請求

この記事のポイント

  • PL法ではメーカーの過失を証明しなくても損害賠償を請求できる
  • 被害者は欠陥の存在と因果関係を示せばよい
  • 請求期限は被害を知ってから3年、製造から10年
  • 欠陥商品は写真や現物を証拠として必ず保管する

製造物責任法(PL法)とは

1995年施行の製造物責任法は、製品の欠陥により被害を受けた消費者が、製造者の過失を証明しなくても損害賠償を請求できる制度です(法3条)

民法との違い

  • 民法709条(過失責任): 被害者がメーカーの過失を立証する必要あり → 困難
  • PL法3条(無過失責任): 欠陥の存在を立証すれば足りる → 消費者に有利

「欠陥」の3類型(法2条2項)

1. 設計上の欠陥

製品の設計自体に問題がある場合。より安全な代替設計が可能だったこと。

2. 製造上の欠陥

設計通りに製造されなかった場合。製造過程での不良品。

3. 指示・警告上の欠陥

適切な使用方法や危険性の警告が不十分な場合。取扱説明書の不備。

責任を負う者(法2条3項)

  • 製造者: 完成品メーカー
  • 加工者: 部品・原材料の加工業者
  • 輸入者: 海外製品の輸入業者
  • 表示製造者: OEM等で自社名を表示した者

損害賠償請求の手順

1. 証拠の保全

  • 欠陥製品の現物保存(修理・廃棄しない)
  • 事故状況の写真・動画
  • 医療記録(診断書、領収書)
  • 購入記録(レシート、保証書)

2. メーカーへの通知

  • 事故の事実と製品の欠陥を書面で通知
  • 製品の調査・回収を要求
  • 損害賠償を請求

3. 消費者事故等の通報

  • 消費者安全法に基づき消費者庁に通報可能
  • リコール情報: 消費者庁リコール情報サイトで確認

免責事由(法4条)

以下の場合、製造者は責任を免れる可能性があります。 - 開発危険の抗弁: 製造時の科学・技術水準では欠陥を認識できなかった - 部品の抗弁: 完成品メーカーの設計指示に従ったため欠陥が生じた

時効(法5条)

  • 被害者を知った時から3年
  • 製品引渡しから10年(身体蓄積性損害・潜伏性損害は除く)

根拠条文

  • 製造物責任法2条(定義)、3条(責任)、4条(免責)、5条(時効)
  • 民法709条(不法行為)
  • 消費者安全法12条(重大事故等の通報)
※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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