ネット通販トラブルの類型
1. 商品が届かない
代金を支払ったのに商品が届かない場合、債務不履行(民法415条)に該当します。
対応手順: 1. 販売業者に催告(メール等で期限を定めて履行を求める) 2. 相当期間内に届かなければ契約解除(民法541条)+ 代金返還請求 3. 販売業者と連絡が取れない場合 → 詐欺の可能性 → 警察に被害届
2. 偽物・模倣品が届いた
注文と異なる商品(偽ブランド品等)が届いた場合: - 契約不適合責任(民法562条): 修補、代替物の引渡し、代金減額を請求 - 錯誤取消し(民法95条): 商品の品質が契約の重要な内容であった場合 - 不実告知による取消し(消費者契約法4条1項1号): 正規品と偽った場合
3. 二重請求・不当な請求
- クレジットカード会社にチャージバック(支払い取消し)を申請
- 不当利得返還請求(民法703条)で過払い分の返還を求める
特定商取引法の通信販売規制
ネット通販は特商法の通信販売に該当します(特商法2条2項)。
広告表示義務(特商法11条)
以下の事項を広告に表示する義務があります: - 販売価格(送料を含む) - 代金の支払方法・時期 - 商品の引渡し時期 - 返品に関する事項(返品特約) - 事業者の名称・住所・電話番号
返品ルール(特商法15条の3)
通信販売にはクーリングオフはありません。ただし: - 返品特約の表示なし: 商品受領後8日以内に返品可能(送料は消費者負担) - 返品特約の表示あり: その特約に従う
クレジットカードのチャージバック
国際ブランド(Visa、Mastercard等)のルールに基づき、不正な取引や商品未着の場合に支払いを取り消す制度です。
- カード会社に連絡(通常、取引日から120日以内)
- 不正利用の場合は会員規約に基づく補償
相談窓口
- 消費者ホットライン 188
- 越境消費者センター(CCJ): 海外通販のトラブル
- 国民生活センター ADR: 裁判外紛争解決手続
根拠条文
- 特定商取引法11条(通信販売の広告表示)、15条の3(通信販売の返品)
- 民法415条(債務不履行)、541条(催告解除)、562条(契約不適合)、703条(不当利得)
- 消費者契約法4条(取消権)