相続の全記事を見る最終更新: 2026-03-13

デジタル遺産の相続|暗号資産・SNSアカウント・サブスクの扱い

この記事のポイント

  • 暗号資産は死亡時の時価で相続税が課税される
  • ウォレットのパスワードがなければ資産にアクセスできなくなる
  • SNSアカウントの扱いはプラットフォームごとに異なる
  • デジタル資産リストを生前に作成しておくことが重要

デジタル遺産とは

被相続人が保有していたデジタル上の資産・アカウントの総称です。

デジタル遺産の種類

  • 暗号資産(仮想通貨): ビットコイン、イーサリアム等
  • 電子マネー・ポイント: PayPay残高、楽天ポイント等
  • SNSアカウント: Facebook、X(旧Twitter)、Instagram等
  • 有料サービス: Netflix、Spotify等のサブスクリプション
  • ネット銀行・証券口座: オンライン専用の金融口座
  • 電子書籍・音楽: Kindle、Apple Music等の購入コンテンツ

暗号資産の相続

法的性質

暗号資産は資金決済法2条14項に定義される「暗号資産」として法的に認められており、相続財産に含まれます。

相続税の課税

暗号資産の相続時の時価(被相続人の死亡日の取引価格)に対して相続税が課税されます。国税庁は暗号資産を「その他の財産」として評価する方針を示しています。

実務上の問題

  • 秘密鍵(プライベートキー)の紛失: ウォレットにアクセスできなくなると事実上回復不可能
  • 取引所口座の相続手続き: 死亡届の提出、戸籍謄本等の提出が必要
  • ハードウェアウォレット: パスワード・PINコードが不明だとアクセス困難

SNSアカウントの扱い

各サービスの対応

  • Facebook: 「追悼アカウント」に変更 or 削除を選択可能
  • X(旧Twitter): 故人のアカウントの無効化を申請可能
  • Instagram: 追悼アカウント化 or 削除
  • Google: 「アカウント無効化管理ツール」で事前に設定可能

法的問題

  • アカウントの利用規約上、一身専属権として相続対象外とされることが多い
  • ただし、アカウントに紐づく財産的価値(広告収入、デジタルコンテンツ)は相続財産になりうる

サブスクリプションの対応

死亡後も放置すると課金が継続します。 1. クレジットカードの停止・解約 2. 各サービスの解約手続き 3. 口座自動引落としの停止

デジタル遺産への備え

  1. デジタル資産リストの作成(サービス名、ID、パスワード等)
  2. パスワードマネージャーの利用と緊急アクセス設定
  3. 遺言書への記載: デジタル資産の取扱いを明記
  4. エンディングノート: 法的効力はないが家族への指示として有用

根拠条文

  • 民法896条(相続の一般的効力)
  • 資金決済法2条14項(暗号資産の定義)
  • 相続税法2条(相続税の課税対象)
※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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