相続の全記事を見る最終更新: 2026-03-13

遺言書の種類と書き方|自筆証書遺言・公正証書遺言の違い

この記事のポイント

  • 自筆証書遺言は全文手書きが必要だが費用がかからない
  • 公正証書遺言は無効になるリスクが低く最も確実
  • 法務局の保管制度を使えば検認手続きが不要になる
  • 遺留分を侵害する遺言も有効だが請求を受ける可能性がある

遺言書の種類

日本の民法では、普通方式の遺言として3つの種類が定められています。

1. 自筆証書遺言(民法968条)

遺言者が自ら書く遺言書です。

要件: - 遺言者が全文を自書すること(ただし2019年改正により、財産目録は自書でなくてもよい) - 日付を自書すること(「令和○年○月吉日」は無効) - 氏名を自書すること - 押印すること

メリット: 費用がかからない、いつでも作成可能、秘密にできる デメリット: 形式不備で無効になるリスク、紛失・改ざんのおそれ、家庭裁判所での検認が必要

2019年改正のポイント

  • 財産目録はパソコンでの作成、通帳のコピー等でも可(各ページに署名・押印が必要)
  • 法務局保管制度(2020年7月開始): 自筆証書遺言を法務局で保管でき、紛失・改ざん防止、検認不要

2. 公正証書遺言(民法969条)

公証人が作成する遺言書です。最も確実な方法。

要件: - 証人2人以上の立会い - 遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授 - 公証人がこれを筆記し、遺言者及び証人に読み聞かせ - 遺言者・証人・公証人が署名押印

メリット: 形式不備で無効になるリスクがない、原本が公証役場で保管、検認不要 デメリット: 公証人手数料がかかる、証人2名が必要

公証人手数料:

遺言の目的の価額手数料
100万円以下5,000円
200万円以下7,000円
500万円以下11,000円
1,000万円以下17,000円
3,000万円以下23,000円
5,000万円以下29,000円
1億円以下43,000円

3. 秘密証書遺言(民法970条)

内容を秘密にしたまま存在のみを公証する遺言書。実務上はほとんど利用されません。

遺言書で指定できること

  • 相続分の指定(民法902条): 法定相続分と異なる割合の指定
  • 遺産分割方法の指定(民法908条): 特定の財産を特定の相続人に
  • 遺贈(民法964条): 相続人以外の者への財産の譲渡
  • 遺言執行者の指定(民法1006条): 遺言内容を実行する者の指定
  • 認知(民法781条2項): 婚外子の認知
  • 相続人の廃除(民法893条)

遺留分に注意

遺言で自由に財産を処分できますが、遺留分(民法1042条)は侵害できません。遺留分を侵害する遺言も有効ですが、遺留分権利者は遺留分侵害額請求(民法1046条)をすることができます。

  • 配偶者・子の遺留分: 法定相続分の2分の1
  • 直系尊属のみの場合: 法定相続分の3分の1
※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

関連記事

関連するQ&A

関連する法律用語

お近くの弁護士会の法律相談をご利用ください

日弁連 法律相談ガイド →