交通犯罪の種類と刑罰
危険運転致死傷罪(自動車運転処罰法2条・3条)
危険な運転行為により人を死傷させた場合の重罰規定です。
| 行為 | 負傷の場合 | 死亡の場合 |
|---|---|---|
| 酩酊運転、制御困難な高速度等(2条) | 15年以下の懲役 | 1年以上の有期懲役(最長20年) |
| アルコール・薬物の影響(3条) | 12年以下の懲役 | 15年以下の懲役 |
対象となる危険運転行為: 1. アルコール又は薬物の影響で正常な運転が困難な状態 2. 制御困難な高速度での走行 3. 未熟運転(技能を有しない運転) 4. あおり運転(妨害目的の割り込み等) 5. 赤信号の殊更の無視 6. 通行禁止道路の高速走行
過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法5条)
通常の交通事故はこの罪が適用されます。7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金。
ひき逃げ(道交法72条1項違反)
交通事故を起こしたにもかかわらず、救護義務(負傷者の救護)と報告義務(警察への報告)を怠った場合: - 救護義務違反(人身事故の場合): 10年以下の懲役又は100万円以下の罰金(道交法117条2項) - 報告義務違反: 3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金(道交法119条1項17号)
飲酒運転
| 類型 | 基準 | 罰則 |
|---|---|---|
| 酒気帯び運転 | 呼気0.15mg/L以上 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
| 酒酔い運転 | 正常な運転ができない状態 | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
免許の行政処分(点数制度)
主な違反点数
| 違反 | 点数 |
|---|---|
| 酒酔い運転 | 35点(即取消し) |
| 酒気帯び運転(0.25mg/L以上) | 25点 |
| ひき逃げ | 35点 |
| 無免許運転 | 25点 |
| 速度超過(50km/h以上) | 12点 |
| 信号無視 | 2点 |
免許取消し・停止の基準
| 累積点数 | 処分(前歴なし) |
|---|---|
| 6〜14点 | 免許停止(30〜90日) |
| 15〜24点 | 免許取消し(欠格期間1年) |
| 25〜34点 | 免許取消し(欠格期間2年) |
| 35点以上 | 免許取消し(欠格期間3年) |
交通犯罪の弁護
- 逮捕直後: 弁護士を選任し、取調べへの対応を助言
- 示談交渉: 被害者との示談は量刑に大きく影響
- 不起訴を目指す: 過失運転致傷で示談成立なら不起訴の可能性
- 公判対応: 危険運転の成否、因果関係等を争う
根拠条文
- 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条・3条・5条
- 道路交通法65条(酒気帯び運転の禁止)、72条(事故報告義務)、117条(罰則)
- 道路交通法施行令別表第二(行政処分の基準点数)